問 題
Na+– K+– 2Cl- 共輸送系の抑制により利尿作用を示すのはどれか。1つ選べ。
- チアジド系利尿薬
- ループ利尿薬
- カリウム保持性利尿薬
- 浸透圧利尿薬
- 炭酸脱水酵素阻害薬
正解.2
解 説
Na+– K+– 2Cl- 共輸送系の抑制により利尿作用を示すのは、ループ利尿薬です。ループ利尿薬の代表例はフロセミド、ブメタニド、アゾセミド、ピレタニドです。副作用として低 K 血症があります。この点を改良し K 保持を実現したのがトラセミドです。
以上より、正解は 2 です。
ちなみに、チアジド系利尿薬は、近位尿細管腔に分泌され、遠位尿細管前半部に作用します。Na+ – Cl- 共輸送系を抑制することにより利尿作用を示します。チアジド系利尿薬の代表例は、ヒドロクロロチアジド、トリクロルメチアジドです。
カリウム保持性利尿薬は、遠位尿細管に作用し、アルドステロン受容体に結合することにより、Na+-K+ 交換系を抑制します。カリウム保持性利尿薬の代表例は、スピロノラクトン、カンレノ酸カリウム、エプレレノン、トリアムテレンです。
浸透圧利尿薬は、血液の浸透圧を上昇させることで、再吸収が抑制され、これらの作用の結果として、利尿作用を示します。浸透圧性利尿薬の代表例は、D – マンニトール、イソソルビドです。
炭酸脱水酵素阻害薬は、近位尿細管の炭酸脱水酵素(CA:carbonic anhydrase)を阻害します。これにより、Na+ – H+ 交換系が抑制され、Na+ の再吸収が抑制されることにより利尿作用を示します。炭酸脱水酵素阻害薬の代表例は、アセタゾラミドです。
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