薬剤師国家試験 第109回 問32 過去問解説

 問 題     

プラスミンのフィブリンへの結合を阻害することで、止血作用を示すのはどれか。1 つ選べ。

  1. フィトナジオン
  2. プロタミン
  3. トラネキサム酸
  4. ヘモコアグラーゼ
  5. カルバゾクロムスルホン酸

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

選択肢 1 ですが
フィトナジオンは、凝固系促進薬です。ビタミン K1 です。フィトナジオンによりプロトロンビンの生成が促進されます。プロトロンビンは、血液凝固因子です。ビタミン K 欠乏による低トロンビン血症の治療に用いられます。プラスミンのフィブリンへの結合を阻害することで、止血作用を示すわけではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
プロタミンは、ヘパリンと結合し、ヘパリンの抗凝固作用を消失させます。ヘパリンの中和剤としてよく用いられます。プラスミンのフィブリンへの結合を阻害することで、止血作用を示すわけではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
トラネキサム酸は、線溶系抑制剤です。プラスミノーゲンやプラスミンのフィブリン親和部分であるリシン結合部位に結合し、プラスミノーゲン等のフィブリンへの吸着を阻止します。

選択肢 4 ですが
ヘモコアグラーゼは、蛇毒由来の酵素止血剤です。トロンビン様の作用と、トロンボプラスチン様の作用を有します。プラスミンのフィブリンへの結合を阻害することで、止血作用を示すわけではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
カルバゾクロムは血管強化薬です。凝固系、線溶系に影響を与えることなく止血作用を示す薬です。プラスミンのフィブリンへの結合を阻害することで、止血作用を示すわけではありません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 3 です。

類題 
107-34 止血薬
https://yaku-tik.com/yakugaku/107-034/

100-162 止血薬
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