問 題
中枢神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- メチルフェニデートは、ノルアドレナリンやドパミンの再取り込みを阻害することで、覚醒作用を示す。
- カフェインは、キサンチンオキシダーゼを阻害することで、中枢興奮作用を示す。
- フルマゼニルは、γ – アミノ酪酸 GABAA 受容体の GABA 結合部位を遮断することで、呼吸を促進する。
- グアンファシンは、アドレナリン α2 受容体を遮断することで、攻撃性を抑制する。
- アトモキセチンは、ノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、注意欠如を改善する。
正解.1, 5
解 説
選択肢 1 は妥当です。
メチルフェニデート(リタリン、コンサータ)は、ナルコレプシー(病的眠気)や注意欠陥/多動性障害(ADHD)に用いられる薬です。第一種向精神薬です。(107-62 依存性について)。
選択肢 2 ですが
カフェインは、ホスホジエステラーゼ阻害、及び、アデノシン受容体阻害作用等を通じて、中枢興奮作用を示します。「キサンチンオキシダーゼ阻害」ではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
フルマゼニルは、ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬です。GABAA 受容体の GABA 結合部位を遮断するのではなく、ベンゾジアゼピン結合部位を遮断します。ベンゾジアゼピン系薬物による鎮静の解除及び、呼吸抑制の改善を示す特異的解毒剤です。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
グアンファシン(インチュニブ)は、メチルフェニデート(コンサータ)、アトモキセチン(ストラテラ)に続く、国内3番目の ADHD 治療薬です。選択的 α2A アドレナリン受容体作動薬です。「遮断することで」という点が明らかに誤りです。ちなみに、かつて高血圧症治療薬(中枢性交感神経抑制薬)エスタリック錠 として販売されていました。(107-62 依存性について)。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は妥当です。
アトモキセチン(ストラテラ)についての記述です。
以上より、正解は 1,5 です。
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