薬剤師国家試験 第108回 問110 過去問解説

 問 題     

膵臓の構造と機能に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 膵臓は、十二指腸側から膵尾、膵体、膵頭の 3 部位に分けられる。
  2. 膵管は膵臓内部を走行し、胆嚢管と合流して十二指腸へ開口する。
  3. 膵液は、HCO3を多く含み、十二指腸に流れ込む胃酸を中和する。
  4. 膵液に含まれる消化酵素の大部分は、ペプシンである。
  5. 膵臓ランゲルハンス島β細胞内の Ca2濃度が上昇すると、インスリンが分泌される。

 

 

 

 

 

正解.3, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
十二指腸側から、膵頭、膵体、膵尾です。順番が逆です。(位置関係の簡単な図は、参考リンク先参照)。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
膵管が合流するのは「胆嚢管」ではなく「総胆管」です。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
膵液による、胃酸の中和に関する記述です。

選択肢 4 ですが
ペプシンは、胃液に多く含まれる消化酵素です。膵液には、アミラーゼ、トリプシン、リパーゼなどが含まれます。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
膵臓ランゲルハンス島 β 細胞における、ヒト唯一の血糖降下を担うホルモンであるインスリン分泌において、ATP 濃度 及び Ca2+ 濃度が重要であることを、本選択肢を通じておさえておくとよいです。

以上より、正解は 3,5 です。

参考 生化学まとめ 肝臓、膵臓、胆嚢の機能と構造

 

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