薬剤師国家試験 第107回 問339 過去問解説

 問 題     

次の薬物について、治療薬物モニタリング(TDM)を実施する上での適切な採血のタイミングと、中毒域に達した場合に起こり得る副作用(中毒症状)の組合せとして、適切なのはどれか。2つ選べ。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
タクロリムスの副作用として腎障害が知られています。TDM ではトラフ値に注目します。(102-170)。

選択肢 2 ですが
テイコプラニンの TDM では、トラフ値に注目します。(100-273)。ピークではありません。また、テイコプラニンは腎障害に応じた用量調節を行う薬の1つです。注意すべき副作用は腎障害等と考えられます。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
ボリコナゾールは、血中濃度トラフ値と肝機能障害の関連性が報告されています。(100-202)。TDM で注目するのはピークではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
バルプロ酸ナトリウムの TDM に関する組合わせとして、適切です。

選択肢 5 ですが
メトトレキサートの TDM は、大量投与時の副作用回避が目的です。一定時間ごとに、濃度が高すぎないかをチェックします。トラフ値の確認では、ありません。(101-270)。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,4 です。

 

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