107回薬剤師国家試験 問338解説

 問 題     

10歳男児。体重30kg。1週間前より微熱と咳嗽があり、近医を受診した。感冒との診断を受け、咳止めと解熱剤を処方されて帰宅した。

2、3日前より咳嗽と喀痰が次第に強くなり、微熱も持続するため再度受診し胸部レントゲン検査を実施したところ炎症所見が観察され、大学病院へ搬送入院となった。

入院後 PCR 検査の結果、マイコプラズマ肺炎の診断を受けた。以下が入院日の処方である。

薬剤師が訪室し、母親に服薬指導を実施することになった。服薬指導する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 処方1を内服する場合、水で飲めない場合にはジュースやヨーグルトでもよい。
  2. 処方1と処方2を一緒に内服すると苦味が強くなる可能性があるため、間隔をあけて飲ませる。
  3. 処方2は、痰が出なくなったら中止してもよい。
  4. 処方3を吸入中は、顔色や呼吸の様子に注意を払い、気分が悪くなったり呼吸が苦しくなったりしたら中止する。
  5. 処方3の1回の吸入終了後も、咳がひどいようであれば、直ちに2回分吸入を実施してもよい。

 

 

 

 

 

正解.2, 4

 解 説     

選択肢 1 ですが
マクロライド系の薬は酸性の飲み物と混ぜると、極めて苦くなります。これは、コーティング成分がはがれるためです。「」と指導するのは、適切ではありません。飲むのを嫌がる場合、チョコレートやバニラアイス などに混ぜて飲ませたり、補助ゼリーなどを用いて飲ませるとよいと考えられます。(100-332)。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。

選択肢 3 ですが
用法・用量を守って服用するよう指導するべきであり、自己判断を促す内容は不適切です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
ありえる副作用の代表的初期症状と、そういった症状がもし見られた場合における対処法の指導です。

選択肢 5 ですが
用法・用量を守って使用するよう指導すべきです。症状がつらい場合に、症状を和らげたくて記述のような薬の使い方をすることはありそうです。しかし、そうすることで重篤な副作用の可能性が高まります。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,4 です。

 

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