薬剤師国家試験 第107回 問226-227 過去問解説

 問 題     

早期の大腸がんは症状がないことが多く、便潜血検査が早期発見に有効であることが知られている。以下の表は、免疫学的便潜血検査による大腸がんのスクリーニング結果を示したものである。

問226

この検査法での感度と特異度の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。

  • 感度(%) 特異度(%)
  1. 80.0   91.9
  2. 80.0   99.9
  3. 91.9   80.0
  4. 96.0   91.9
  5. 99.9   80.0

問227

図は、大腸がんの多段階発がんの過程を示したものである。A及びBに該当するがん抑制遺伝子の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。

  •  A    B
  1. BRCA1  WT1
  2. BRCA1  DCC
  3. MYC   MLH1
  4. APC   PTEN
  5. APC   DCC

 

 

 

 

 

正解.
問226:1
問227:5

 解 説     

問226

感度
「病気の人全員」を分母とした時の「検査で陽性」の人の割合です。32/40 = 0.8 です。%で表せば 80% です。

特異度
「病気でなかった人全員」を分母とした時の「検査で陰性」の人の割合です。8669/9430 です。大体 92% です。

以上より、問 226 の正解は 1 です。

問227

選択肢 1,2 ですが
BRCA は、遺伝性乳がんの発症に関わる遺伝子です。(106-300301)。大腸がんの過程ということなので、誤りです。

選択肢 3~5 ですが
APC は、大腸がん発症に関わる遺伝子です。(106-300301)。これを根拠に、選択肢 4,5 であろう と判断するところまで で、後は2択運任せ というのが現実的にいける所だと思います。B に入るのは「DCC」です。

以上より、問 227 の正解は 5 です。

本問を通じて
大腸がんについて、APC 変異 → KRAS 活性化 → p53 変異 → DCC 変異 という流れをおさえましょう。ちなみに、変異することでがん化が進行しているものは、がん抑制遺伝子です。

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