薬剤師国家試験 第107回 問181 過去問解説

 問 題     

皮膚に使用する製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 油脂性基剤である単軟膏や白色軟膏は、乾燥型及び湿潤型いずれの皮膚疾患にも使用できる。
  2. 水溶性基剤であるマクロゴールは、分子量が大きくなると水に不溶になる。
  3. 水溶性ゲル基剤は、損傷皮膚を含めた様々な状態の皮膚に安全に使用できる。
  4. 吸水クリームと親水クリームは、いずれもサラシミツロウを含んでいる。
  5. マトリックス型のテープ剤は、日本薬局方の粘着力試験法により評価される。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
油脂性基材は、様々状態の皮膚に安全に使用できると考えてよいです。

選択肢 2 ですが
マクロゴールは、水に可溶です。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
水溶性ゲル基材は、水分を吸収するため、びらんなどに用いられます。乾燥には不適です。「様々な状態の皮膚に安全に使用できる」という記述は、正しいとはいえないと考えられます。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
ロウは、べたべたした、油っぽいものというイメージは持っていると思います。そして、吸水クリームは w/o 型で、基本は oil だから、ミツロウが入ってても納得です。一方、親水クリームは o/w 型で、基本は water だから、入っていないのではないかと考え「いずれもサラシミツロウを含む」は違うと推測できるのではないでしょうか。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
類題 102-283 選択肢 4参考 製剤学まとめ 経皮投与製剤の特徴と利点

以上より、正解は 1,5 です。

参考 製剤学まとめ 代表的な半固形製剤の種類と性質

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