薬剤師国家試験 第107回 問127 過去問解説

 問 題     

食物繊維に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 水溶性のものと不溶性のものがある。
  2. ヒトの消化酵素で消化されず、腸内細菌によっても分解されない。
  3. セルロースとリグニンは、どちらも多糖である。
  4. 天然の食物繊維は植物性食品由来であり、動物性食品由来のものはない。
  5. 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、食物繊維には目標量が設定されている。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

食物繊維とは、消化酵素で消化することのできない成分の総称です。大きく水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2つに分類されます。水溶性食物繊維の代表例は、ペクチンやアルギン酸などです。不溶性食物繊維の代表例は、セルロースやリグニンです。

選択肢 1 は妥当です。

選択肢 2 ですが
食物繊維は 消化酵素で消化されませんが、腸内細菌のエサとして分解されます。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
セルロースは多糖です。一方、リグニンはフェニルプロパノイドの一種です。多糖ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
甲殻類の殻などに含まれる多糖類で 動物性食品由来の キチンなどがあります。「動物性食品由来のものはない」わけではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
食物繊維には、目標量が設定されています。また、本試験時点において、男女ともに実際の摂取量は不足しています。

以上より、正解は 1,5 です。

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