薬剤師国家試験 第107回 問85 過去問解説

 問 題     

抗がん剤の無菌調製に関する記述のうち、適切なのはどれか。1 つ選べ。

  1. 調製者は、手袋を二重に装着する。
  2. 調製作業は、クリーンベンチ内で行う。
  3. 調製に使用するシリンジの先端部は、ルアースリップ式を用いる。
  4. バイアルから薬液を吸引する場合は、バイアル内を陽圧にする。
  5. 作業台が汚染した場合は、ペーパータオルで中心から外側に向かって拭き取る。

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
ピンホールが空いている可能性をふまえ、二重にするのが妥当です。

選択肢 2 ですが
被爆 及び 汚染を避けるためにクリーンベンチ(中が陽圧)ではなく、安全キャビネットで調製します。選択肢 2 は誤りです。(101-240241)。

選択肢 3 ですが
シリンジ先端分は、ルアーロック式(ねじこみ式)を用います。ルアースリップ式ではありません。構造の模式図がリンク先にあるので、確認しておきましょう。(102-327)。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
バイアル内が陽圧だと、バイアルから薬液がブシュっとあふれ出る可能性があります。抗がん剤の調製なので、エアロゾルの飛散を避けるため、バイアル内を陰圧にします。陽圧ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
中心から外側にふき取ると、ふき取り終わる際に、外に液が出る可能性があります。外側から中心に向かい拭き取るのが適切と考えられます。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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