107回薬剤師国家試験 問84解説

 問 題     

循環血液量の減少時における細胞外液の補給に用いる輸液として、適切でないのはどれか。1つ選べ。

  1. 生理食塩水
  2. 5%ブドウ糖液
  3. 乳酸リンゲル液
  4. 酢酸リンゲル液
  5. 5%ブドウ糖加乳酸リンゲル液

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

適切でないのはどれか 
という問題である点に、まず注意しましょう。

まず、大雑把に
選択肢 1,2 → 生理食塩水, 5% ブドウ糖液 なので、等張液
選択肢 3 ~ 5 → 輸液の〇号 と呼ばれるもので、低張液であり、結局の所 生理食塩水と 5% ブドウ糖液を 割合変えて混合し、ミネラルの有無がある輸液 ぐらいで分けます。

循環血液量減少時 ということなので
出血した患者さんを想像するとイメージしやすいと思います。

「細胞外液のみを補充する生理食塩水」は妥当です。一方、全身に分布する 5% ブドウ糖液を用いると、100 輸液を使っても、細胞外液に分布するのは 10 だけ、みたいな感じなので、なかなか減少している細胞外液が補充されません。その一方で、失われているわけでもない他の部分に水分が補充され、逆に過剰になってしまうと考えられます。

その他の輸液には、ある程度生理食塩水が入っており、電解質の状態等をふまえ、使用することが適切であるケースも多々ある と考えられます。

以上より、正解は 2 です。
類題 106-328,101-335

 

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