問 題
循環血液量の減少時における細胞外液の補給に用いる輸液として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
- 生理食塩水
- 5%ブドウ糖液
- 乳酸リンゲル液
- 酢酸リンゲル液
- 5%ブドウ糖加乳酸リンゲル液
正解.2
解 説
適切でないのはどれか
という問題である点に、まず注意しましょう。
まず、大雑把に
選択肢 1,2 → 生理食塩水, 5% ブドウ糖液 なので、等張液
選択肢 3 ~ 5 → 輸液の〇号 と呼ばれるもので、低張液であり、結局の所 生理食塩水と 5% ブドウ糖液を 割合変えて混合し、ミネラルの有無がある輸液 ぐらいで分けます。
循環血液量減少時 ということなので
出血した患者さんを想像するとイメージしやすいと思います。
「細胞外液のみを補充する生理食塩水」は妥当です。一方、全身に分布する 5% ブドウ糖液を用いると、100 輸液を使っても、細胞外液に分布するのは 10 だけ、みたいな感じなので、なかなか減少している細胞外液が補充されません。その一方で、失われているわけでもない他の部分に水分が補充され、逆に過剰になってしまうと考えられます。
その他の輸液には、ある程度生理食塩水が入っており、電解質の状態等をふまえ、使用することが適切であるケースも多々ある と考えられます。
以上より、正解は 2 です。
類題 106-328,101-335
コメント
2. の5%ブドウ糖液も輸液として不適切ですが、(正答)
1. の生理食塩水も誤りで、正確には生理食塩液(JP18)でなくてはなりません。
生理食塩水は局方品ではないので注射液や輸液用には用いることができません。
(エンドトキシン試験を適合してない)
極端な例として、水道水に食卓塩を溶かして0.9w/v%にしても生理食塩水です。
水道水を輸液には使えません。
日本薬局方の規定に適合した生理食塩液を用いるべきでしょう。
(問題作成委員へのクレームです)