107回薬剤師国家試験 問56解説

 問 題     

全身性エリテマトーデス (SLE) に特異性の高い抗体はどれか。1つ選べ。

  1. 抗チログロブリン抗体 (抗サイログロブリン抗体)
  2. 抗二本鎖 DNA 抗体
  3. 抗 CCP 抗体 (抗環状シトルリン化ペプチド抗体)
  4. 抗 Jo-1 抗体
  5. 抗 GAD 抗体(抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ抗体)

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

選択肢 1 ですが
チログロブリンは、甲状腺ホルモンの合成過程において、活性型ヨウ素が結合するタンパク質です。抗チログロブリン抗体は、甲状腺疾患、特に橋本病において陽性となります。SLE に特異性が高い抗体ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
抗二本鎖 DNA 抗体の他に、抗 Sm 抗体も、SLE で陽性になりやすいです。Sm は、Smith という名前の頭文字です。Smith さんという SLE患者の血清中に認められた抗体です。

選択肢 3 ですが
リウマチ発症の検査として用いられる抗体です。(98-293)。SLE に特異性が高い抗体ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
抗 Jo-1 抗体は,多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)に特異的な自己抗体です。SLE に特異性が高い抗体ではありません。Jo は、John という名前の頭文字です。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
GAD(glutamic acid decarboxylase)抗体は、自己免疫性Ⅰ型糖尿病のマーカーです。(102-294295)。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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