薬剤師国家試験 第106回 問189 過去問解説

 問 題     

21歳男子大学生。親戚の4歳児の面倒をみた2週間後に頭痛と発熱を認めたため、市販のかぜ薬を服用した。翌日、市販薬で一時的に解熱したが、再び発熱し、両側の頬から耳の後ろにかけて腫れ、腫脹部分に痛みを感じたため受診し、流行性耳下腺炎と診断された。

この患者の病態及び薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 解熱すればすぐに通学しても差し支えない。
  2. 精巣炎を合併するリスクがある。
  3. 治療にはアシクロビルが有効である。
  4. 疼痛・発熱に対し、アセトアミノフェンが用いられる。
  5. 治療にはワクチンが有効である。

 

 

 

 

 

正解.2, 4

 解 説     

流行性耳下腺炎とはいわゆるおたふく風邪です。おたふく風邪ワクチン(生ワクチン)で予防を図ります。一度かかると終生免疫が獲得されます。

選択肢 1 ですが
感染性が強く、目安としては、腫れができてから5日ほど経過しないと、通学しない方が妥当です。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
成人になってからのおたふく風邪は、精巣炎リスクがあります。

選択肢 3 ですが
流行性耳下腺炎の原因はムンプスウイルスです。有効な抗ウイルス治療薬は、本試験時点においてありません。アシクロビルは有効ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。

選択肢 5 ですが
ワクチンは予防に用いられます。治療に用いられるわけではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,4 です。

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