薬剤師国家試験 第106回 問168 過去問解説

 問 題     

内分泌系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. カベルゴリンは、ドパミン D2 受容体を遮断することで、下垂体前葉からのプロラクチンの分泌を抑制する。
  2. プロチレリンは、下垂体前葉に作用することで、甲状腺刺激ホルモン (TSH) の分泌を促進する。
  3. デスモプレシンは、バソプレシン V2 受容体を遮断することで、腎集合管における水の再吸収を阻害する。
  4. リオチロニンは、甲状腺のペルオキシダーゼを阻害することで、甲状腺ホルモンの合成を抑制する。
  5. メチラポンは、11 β- ヒドロキシラーゼを阻害することで、コルチゾールの産生を抑制する。

 

 

 

 

 

正解.2, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
カベルゴリンは、麦角アルカロイド誘導体です。ドパミン刺激薬です。遮断薬ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
プロチレリンは、甲状腺刺激ホルモン(TSH:thyroid stimulating hormone)及びプロラクチン分泌を促進します。(97-37)。

選択肢 3 ですが
デスモプレシンは、V2 刺激薬です。V2 受容体が刺激されると水の再吸収が促進されます。その結果、尿量は減少します。(100-35)。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
リオチロニンナトリウムは、T3 製剤です。甲状腺機能低下症治療薬です。ペルオキシダーゼ阻害薬ではありません。(参考 薬理学まとめ ホルモンの分泌異常に用いられる代表的な治療薬)。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
メチラポンは、11β – ヒドロキシラーゼ (CYP11B1) の阻害によりコルチゾール産生を抑制します。(98-163)。

以上より、正解は 2,5 です。

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