薬剤師国家試験 第106回 問110 過去問解説

 問 題     

呼吸器系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 気管は、軟骨と平滑筋から構成される管で、副交感神経の興奮によって拡張する。
  2. 気道分泌液は、リゾチームなどの抗菌性物質や免疫グロブリンAを含んでおり、細菌感染を防ぐ役割をもつ。
  3. 肺胞壁内面にある表面活性物質(サーファクタント)は、肺胞内の表面張力を上昇させ、肺胞の萎縮を防ぐ。
  4. 呼吸調節中枢は延髄に存在し、呼息中枢の周期的な活動を円滑にする働きをもつ。
  5. 血中酸素分圧の低下は、頸動脈小体の化学受容器を刺激し、呼吸運動を促進する。

 

 

 

 

 

正解.2, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
気管支拡張薬の作用機序を思い出せば、交感神経刺激により気管支拡張です。副交感神経の興奮ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。

選択肢 3 ですが
サーファクタントは、表面張力を小さくします。イメージとしては、水に石鹸を加えると表面張力が小さくなる様子です。石鹸に対応するのがサーファクタントです。表面張力が小さくなることによって、肺胞が膨らみやすくなります。石鹸水でシャボン玉が膨らむイメージです。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
呼吸調節中枢が存在するのは橋です。延髄は、呼吸中枢です。(生化学まとめ 中枢神経系)。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。

以上より、正解は 2,5 です。

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