問 題
日本薬局方において、1mol/L水酸化ナトリウム液の調製及び標定は以下のように規定されている。この調製及び標定に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
調製
水酸化ナトリウム42gを水950mLに溶かし、これに新たに製した水酸化バリウム八水和物飽和溶液を①沈殿がもはや生じなくなるまで滴加し、液をよく混ぜて密栓し、24時間放置した後、上澄液を傾斜するか、又はガラスろ過器(G3又はG4)を用いてろ過し、次の標定を行う。
標定
[ ア ](標準試薬)をデシケーター(減圧、シリカゲル)で約48時間乾燥し、その約1.5gを[ イ ]に量り、新たに煮沸して冷却した水25mLに溶かし、②調製した水酸化ナトリウム液で滴定し、ファクターを計算する(指示薬法:ブロモチモールブルー試液2滴、又は電位差滴定法)。
ただし、指示薬法の滴定の終点は緑色を呈するときとする。
- 波下線部①で生じる沈殿は、硫酸バリウムである。
- [ ア ]に入るのは、「アミド硫酸」である。
- [ イ ]に入るのは、「正確」である。
- 波下線部②の操作にはメスピペットが用いられる。
- 通例、ファクターが0.970~1.030の範囲にあるように調製する。
解 説
選択肢 1 ですが
水酸化ナトリウムが空気中の炭酸ガスを吸収することで、一部が炭酸ナトリウムとなります。この炭酸をバリウムで沈殿させます。従って、沈殿は炭酸バリウム( BaCO3)です。硫酸バリウムではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は妥当です。
選択肢 3 ですが
「約 1.5g を」とあるので、これを「正確に量る」とすると、「約」という言葉と意味が矛盾します。すなわち、「正確に量る」だとすれば、1.45g~1.54g ですが、一方、約は ± 10% なので、1.35g ~ 1.65g です。選択肢 3 は誤りです。測定の桁数を指定する「精密」が妥当であると考えられます。(99-96)。
選択肢 4 ですが
滴定なのでビュレットが妥当です。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は妥当です。(102-4)。
以上より、正解は 2,5 です。
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