薬剤師国家試験 第105回 問191 過去問解説

 問 題     

HIV感染症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. HIVは唾液を介して感染する。
  2. 日本ではHIV感染者とAIDS発症者の数はほぼ等しい。
  3. 感染初期には発熱などのインフルエンザ様症状が出現し、通常数年持続する。
  4. 感染後、一般に数年~十数年は無症候期が続く。
  5. AIDS期には悪性腫瘍や脳症などが発症する。

 

 

 

 

 

正解.4, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
感染源は血液、体液、母乳などです。体液の中でも、唾液や汗などを通じた感染は知られていません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
HIV に感染したからといって AIDS 発症するわけではない、抗ウイルス薬服用で発症しないように抑えることができるといった点から「ほぼ等しい」わけではないだろうと判断できるのではないでしょうか。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
HIVに感染すると、感染後2週間目から4週間目くらいの間に、HIVは急激に体内で増殖を始め、CD4陽性リンパ球が破壊されていきます。急性期と呼ばれます。この時期には、風邪に似た症状などが出ます。通常は数日から数週間で症状は自然に消えます。よって、選択肢 3 は誤りです。 

選択肢 4,5 は妥当な記述です。

参考)病態・薬物治療学まとめ 後天性免疫不全症候群の病態生理、治療薬、注意点

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