薬剤師国家試験 第105回 問156 過去問解説

 問 題     

貧血の治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. クエン酸第一鉄は、体内で欠乏した鉄を補充し、ヘモグロビンを増加させることで、鉄欠乏性貧血を改善する。
  2. ガベキサートは、セリンプロテアーゼを阻害することで、自己免疫性溶血性貧血を改善する。
  3. ダルベポエチンアルファは、エリスロポエチン受容体を刺激し、赤芽球前駆細胞から赤血球への分化を促進することで、腎性貧血を改善する。
  4. ピリドキシンは、体内で欠乏したビタミンB12を補充し、DNA合成を促進することで、巨赤芽球性貧血を改善する。
  5. コバマミドは、低下したヘモグロビン合成を促進することで、鉄芽球性貧血を改善する。

 

 

 

 

 

正解.1, 3

 解 説     

選択肢 1 は妥当な記述です。

選択肢 2 ですが
ガベキサートは、抗トロンビン薬です。タンパク質分解酵素阻害薬でアンチトロンビン III 非依存的に凝固因子を阻害することにより、抗凝固作用を示します。膵炎や DIC(汎発性血管内血液凝固症)に用いられます。自己免疫性溶血性貧血には用いられません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当な記述です。

選択肢 4 ですが
ピリドキシンは ビタミン「B6」です。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
コバマミドは活性型ビタミン B12 製剤です。鉄芽球性貧血には用いられません。よって、選択肢 5 は誤りです。選択肢 4,5 の主語が逆と考えられます。

以上より、正解は 1,3 です。

参考 病態・薬物治療学まとめ 貧血の病態生理、治療薬、注意点

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