薬剤師国家試験 第105回 問112 過去問解説

 問 題     

成人の赤血球及び造血に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 成熟赤血球では、ヘモグロビン1分子に、通常2分子のヘムが結合している。
  2. 成熟赤血球のATP産生の大部分はミトコンドリアが担う。
  3. 造血は赤色骨髄で行われる。
  4. 造血過程におけるDNA合成には、葉酸及びビタミンB12が必要である。
  5. 動脈血の酸素分圧が低下すると、腎臓でのエリスロポエチンの産生が抑制される。

 

 

 

 

 

正解.3, 4

 解 説     

選択肢 1 ですが
1分子のヘモグロビンは、4つのサブユニットからなります。1つのサブユニットに対して1つのヘム分子があるため、1分子ヘモグロビン → 4分子ヘム です。「2分子」ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
赤血球は、核、ミトコンドリアなどの細胞内小器官を有しません。ATP 産生は、細胞質基質において主に解糖系により行います。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3,4 は妥当な記述です。

選択肢 5 ですが
エリスロポエチンは、酸素分圧の低下に応答して産生が「促進」されます。その結果、赤血球産生を刺激します。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3,4 です。

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