薬剤師国家試験 第105回 問111 過去問解説

 問 題     

図は視床下部-下垂体系を模式的に示したものである。下垂体の部位A又はBにおけるホルモンの分泌調節に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. Aから分泌されるホルモンは、視床下部ホルモンにより分泌調節される。
  2. ソマトスタチンは、Aからの成長ホルモンの分泌を促進する。
  3. ゴナドトロピン放出ホルモンは、Aからのオキシトシンの分泌を促進する。
  4. バソプレシンは、視床下部で合成され、Bから分泌される。
  5. ドパミンは、Bからのプロラクチンの分泌を抑制する。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

A は脳下垂体前葉、B は脳下垂体後葉と考えられます。

選択肢 1 は妥当な記述です。
視床下部は、脳下垂体前葉 の調節を行います。

選択肢 2 ですが
ソマトスタチンは、内分泌系を「抑制」するホルモンです。「促進」ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
オキシトシンは脳下垂体「後葉」から分泌されます。A、つまり 脳下垂体前葉ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当な記述です。

選択肢 5 ですが
プロラクチンは脳下垂体「前葉」から分泌されます。B、つまり 脳下垂体後葉ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

ちなみにですが、ドパミン遮断薬による代表的な副作用として、高プロラクチン血症が知られています。この知識から「ドパミンがプロラクチン分泌抑制」は妥当であることも判断したいポイントです。

以上より、正解は 1,4 です。

参考 生化学まとめ ペプチド性ホルモン

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