薬剤師国家試験 第104回 問312-313 過去問解説

 問 題     

32歳女性。難治性の多発性骨髄腫のため、治療を目的に入院してサリドマイド製剤を服用する予定である。サリドマイドは、過去に薬害を引き起こした薬物である。

問312

病棟でのサリドマイド製剤の取扱いについて誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. サリドマイド製剤安全管理手順(TERMS)を遵守する。
  2. 製薬会社に登録した医師のみが処方する。
  3. 入院中、本剤は患者の自己管理とする。
  4. 本剤の服用開始4週間前から本剤服用中止4週間後までは、妊娠を避けさせる。
  5. 本剤の管理上の責任を担う薬剤師を、製薬会社に登録する。

問313

医薬品の安全対策の充実には、幾つかの薬害が関わっている。サリドマイドが引き起こした薬害が契機となって整備された制度として適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 副作用報告制度
  2. 再審査制度
  3. 医薬品リスク管理計画制度
  4. 感染症定期報告制度
  5. 市販直後調査制度

 

 

 

 

 

正解.
問312:3
問313:1

 解 説     

問312

「過去に薬害を引き起こした」という記述は「管理が慎重に行われる」ということを強く示唆します。選択肢を検討すると、「入院中、本剤は患者の自己管理とする」という記述は明らかに不適切な取扱いです。

以上より、問312 の正解は 3 です。

問313

「サリドマイドが引き起こした薬害」は、「医薬品副作用報告制度の開始」や「医薬品副作用被害救済制度の創設」等の契機となりました。

以上より、問313 の正解は 1 です。

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