薬剤師国家試験 第104回 問232-233 過去問解説

 問 題     

5歳女児。保育園でシラミ症が集団発生し、母親と共に皮膚科を受診した。皮膚科医より第二類医薬品であるスミスリンLシャンプー(注)で頭を洗うように指示を受け、薬局を訪れた。
(注:スミスリンLシャンプー:成分 フェノトリン(4mg/mL))

問232

薬剤師が母親に説明する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. シラミのうち、頭部に寄生するのはアタマジラミです。
  2. シラミが頭部に寄生したら幼稚園、保育園、小学校等に行ってはいけません。
  3. スミスリンLシャンプーは、日常の頭髪の洗浄目的には使えません。
  4. スミスリンLシャンプーは、一度の使用で効果を示すので、繰り返し使用しないでください。
  5. 一度シラミ症になると免疫ができるので、再発症することはありません。

問233

スミスリンLシャンプーに含まれるフェノトリンは殺虫剤の成分である。フェノトリンの構造式はどれか。1つ選べ。

 

 

 

 

 

正解.
問232:1, 3
問233:4

 解 説     

問232

清潔にしていても発生する可能性がある感染症です。

選択肢 1 は妥当な記述です。
他にはケジラミなどがいます。

選択肢 2 ですが
登園等を控えさせる必要はありません。種々の事情に応じた、様々な対応が取られています。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当な記述です。

選択肢 4 ですが
7~10日間使用します。一度の使用で効果を示すという記述は誤りです。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
再発症はありえます。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、問232 の正解は 5 です。

問233

選択肢 1 ですが
DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)の構造です。フェノトリンではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
カルバリルの構造です。フェノトリンではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
イミダクロプリドの構造です。フェノトリンではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当な構造です。

選択肢 5 ですが
パラチオンの構造です。フェノトリンではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、問233 の正解は 4 です。

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