薬剤師国家試験 第104回 問185 過去問解説

 問 題     

骨粗しょう症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 石灰化が不十分な骨組織である類骨が増加する疾患である。
  2. PINP(Ⅰ型プロコラーゲン-N-プロペプチド)は有用な血清骨吸収マーカーである。
  3. 運動療法により骨吸収が抑制され、骨量増加が期待される。
  4. 食事療法として、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKの摂取が推奨される。
  5. デノスマブで治療する際は、高カルシウム血症に注意が必要である。

 

 

 

 

 

正解.3, 4

 解 説     

選択肢 1 ですが
骨粗しょう症とは、骨量が減少する疾患です。具体的には、海綿骨における骨梁密度の低下による骨量減少です。「類骨増加」ではありません。類骨とは、石灰化前の新しい骨組織です。類骨が多くなるのは「骨軟化症」です。

選択肢 2 ですが
PINP は、骨組織に大量に存在する I 型コラーゲン前駆体の代謝産物です。有用な「骨形成」早期マーカーです。骨吸収マーカーではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3,4 は妥当な記述です。

選択肢 5 ですが
デノスマブ(プラリア)は、RANKL という破骨細胞の形成、機能などを調節するタンパク質を標的としたモノクローナル抗体です。骨は人体におけるカルシウムの貯蔵庫です。骨からカルシウムを血中に取り出す破骨細胞の機能を抑制するのだから、注意すべき副作用は「低」カルシウム血症です。高カルシウム血症ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3,4 です。

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