薬剤師国家試験 第104回 問184 過去問解説

 問 題     

副鼻腔炎の病態及び治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 急性副鼻腔炎は、上気道炎に続いて起こることが多い。
  2. 急性副鼻腔炎の起因菌は、黄色ブドウ球菌が最も多い。
  3. 慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎の症状が遷延して3週間以上続く状態をいう。
  4. 慢性副鼻腔炎の症状として、嗅覚障害、頬部痛及び頭痛がある。
  5. 慢性副鼻腔炎の治療として、ニューキノロン系抗菌薬の少量長期投与が有効である。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1 は妥当な記述です。
上気道は、鼻からのどのことです。

選択肢 2 ですが
急性副鼻腔炎は、肺炎球菌やインフルエンザ菌などによることが多いです。「黄色ブドウ球菌」もあるのですが「最も多い」とはいえません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
慢性副鼻腔炎は蓄膿症とも呼ばれます。「3ヶ月」以上続く鼻症状などに基づき診断されます。「3週間」程度であれば、まだ慢性とはいえません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当な記述です。

選択肢 5 ですが
「マクロライド」系抗菌薬の少量長期投与です。「ニューキノロン」ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

※マクロライド系少量長期投与は、炎症に関与する免疫炎症細胞への作用を介した、抗炎症作用を目的としたものと考えられるようです。また、マクロライド系は「抗菌」だけでなく、消化管機能亢進、抗炎症などの新たな作用が発見されています。

以上より、正解は 1,4 です。

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