薬剤師国家試験 第104回 問183 過去問解説

 問 題     

前立腺肥大症の病態及び治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 前立腺の外腺部分が肥大し、排尿障害を起こす。
  2. 前立腺肥大症は、前立腺がんへ進展する。
  3. 前立腺特異抗原(PSA)は、前立腺肥大症の確定診断に有用である。
  4. タムスロシン塩酸塩を治療に用いる場合は、起立性低血圧に対する注意が必要である。
  5. ブチルスコポラミン臭化物は、前立腺肥大症による排尿障害の改善に有用である。

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

選択肢 1 ですが
前立腺肥大症は「内腺」部分の肥大です。「外腺」ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
前立腺肥大と前立腺がんは関係ありません。尿の出が悪くなる等、症状は似ています。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
PSA 値は「確定診断」には有用とはいえません。前立腺炎や前立腺がんなどでも上昇する値です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当な記述です。
タムスロシンは α1 受容体遮断薬です。

選択肢 5 ですが
ブチルスコポラミン(ブスコパン)は、4級アンモニウム塩である、抗コリン薬です。抗コリンなので、尿閉方向に作用します。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。
類題 103-246247
参考 病態・薬物治療学まとめ 前立腺肥大症の病態生理、治療薬、注意点

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