薬剤師国家試験 第104回 問175 過去問解説

 問 題     

コーティングを施した固形製剤の溶出性を調べたところ、下図の結果が得られた。この薬物溶出を示す製剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、薬物の溶解度は試験液のpHに依存せず、薬物と添加剤の相互作用はないものとする。

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

図から、pH が低いと、全く薬が溶けていないことがわかります。「腸溶性コーティング」を連想します。

選択肢 1 ですが
この製剤であれば、pH によらず即放性顆粒が溶けて血中濃度の上昇がある程度見られると考えられます。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
ゼラチンは pH によらず溶けると考えられます。すると、選択肢 1 と同様に、pH によらず、即放性顆粒が溶けて血中濃度の上昇がある程度見られると考えられます。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当な記述です。
メタクリル酸コポリマーは、腸溶性コーティング剤として用いられます。ヒプロメロースフタル酸エステルや、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルと同様の用途です。

選択肢 4 ですが
ヒプロメロースは、水溶性コーティング剤に用いられます。このコーティングであれば、pH によらず溶けて、血中濃度の上昇がある程度見られると考えられます。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
外側の即放性外層が pH によらず溶けて、血中濃度の上昇がある程度見られると考えられます。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。
類題 103-50
参考)製剤まとめ 製剤分野で汎用される高分子の物性

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