製剤分野で汎用される高分子の物性

製剤分野で用いられる高分子は、主に添加物として用いられます。高分子の特性により、用途が異なります。代表的な用途としては、5種類あります。すなわち、増粘剤、結合剤、崩壊剤、コーティング剤、粘着剤です。

増粘剤とは、液体をねばねばさせることを目的として加えられる物質です。代表例はヒプロメロース、カルメロースナトリウム、メチルセルロースなどがあります。

結合剤とは、粉体粒子同士を結びつけるために加えるものです。錠剤を作る時に加えたりします。代表例は、デンプン、デキストリンなどです。先ほどの増粘剤の代表例としてあげた、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、メチルセルロースは
結合剤としても用いられます。

崩壊剤とは、水分を吸って膨張することで、例えば錠剤に含むことで崩壊を促すような目的で加えられる物質のことです。代表例は、デンプン、カルメロースなどです。

コーティング剤とは、表面を覆うために用いられる物質です。胃酸で溶けない錠剤を作るといった目的で用いられます。代表例は、ヒプロメロースフタル酸エステルなどです。

粘着剤とは、物と物を張り合わせるために用いる物質です。代表例はカルボキシビニルポリマーです。

※これらの名前と役割が結びつくとよいのですが、きれいな1対1対応ではない上に、似た名前で覚えにくいのではないかと思います。そこで

・デンプンは増粘、結合、崩壊に使えるマルチな物質であること
・ヒプロメロースは崩壊剤ではないこと
・ヒプロメロースは、フタル酸エステルになるとコーティング

という3点をまず覚えると、暗記のとっかかりになりやすいのではないかと思います。

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