薬剤師国家試験 第104回 問113 過去問解説

 問 題     

ヒトにおける核酸代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. デオキシウリジン5ʼ-一リン酸(dUMP)にS-アデノシルメチオニンからメチル基が供与されることで、デオキシチミジン5ʼ-一リン酸(dTMP)が生じる。
  2. デオキシシチジン5ʼ-三リン酸(dCTP)は、シチジン5ʼ-二リン酸(CDP)のリボースの還元により生じるdCDPがリン酸化されて生成される。
  3. 核酸分解により生じたリボース1-リン酸は、サルベージ経路により再利用される。
  4. ピリミジンヌクレオチドの生合成に必要なカルバモイルリン酸は、尿素回路から供給される。
  5. イノシン5ʼ-一リン酸(IMP)からのアデノシン5ʼ-一リン酸(AMP)の生成には、グアノシン5ʼ-三リン酸(GTP)が利用される。
この問題は正しい選択肢が3つあるため、いずれか2つを選べば正解となりました。

 

 

 

 

 

正解.2, 3, 5

 解 説     

※ 正解が 3 つあり、2 つ正解ならよい、とされた問題です。

選択肢 1 ですが
記述の反応におけるメチル基供与体は「5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸」です。(5,10-CH2-THF と表されることがあります。THFが、テトラヒドロ葉酸です。葉酸が Folic acid です。)

選択肢 2 は妥当な記述です。

選択肢 3 は正解です。

選択肢 4 ですが
「ピリミジンヌクレオチド(環1つの方)」の生合成は、カルバモイルリン酸とアスパラギン酸を材料として、オロト酸が合成される反応から開始します。このカルバモイルリン酸は「グルタミン」を材料に作られます。尿素回路からの供給ではありません。ちなみに、尿素回路における律速段階が、カルバモイルリン酸合成の部分の反応です。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当な記述です。

以上より、正解は 2,3,5 です。
類題 102-115

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