薬剤師国家試験 第103回 問153 過去問解説

 問 題     

糖尿病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ダパグリフロジンは、尿細管の Na+/グルコース共輸送体 2 (SGLT2) を阻害することで尿中へのグルコースの排泄を促進する。
  2. ブホルミンは、AMP 依存性キナーゼ (AMPK) を抑制することで肝臓における糖新生を抑制する。
  3. ミグリトールは、小腸粘膜に存在する α – グルコシダーゼを阻害することで糖の消化と吸収を遅延させ、食後高血糖を抑制する。
  4. ナテグリニドは、アルドース還元酵素を阻害することで細胞内ソルビトールの蓄積を抑制し、末梢神経障害を改善する。
  5. リナグリプチンは、膵 β 細胞上のグルカゴン様ペプチド – 1 (GLP-1) 受容体を直接刺激することでインスリン分泌を促進する。

 

 

 

 

 

正解.1, 3

 解 説     

選択肢 1 は、正しい記述です。
◯◯グリフロジンと来たら SGLT2 (sodium glucose transporter 2)阻害薬です。

選択肢 2 ですが
ブホルミンはビグアナイド系薬です。AMPK(AMP-activated protein kinase)の活性化が作用機序の一つです。抑制ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は、正しい記述です。

選択肢 4 ですが
記述はエパルレスタットについてです。ナテグリニドは速効性インスリン分泌促進薬です。SU 構造は持たないのですが SU 受容体に結合して SU 薬と同様のメカニズムで作用します。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
リラグルチドなどについての記述です。リナグリプチンは、◯◯グリプチンなので、DPP-4(Dipeptidyl Peptidase-4選択的阻害薬です。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

参考 薬理学まとめ 糖尿病治療薬

コメント