薬剤師国家試験 第103回 問136 過去問解説

 問 題     

食物連鎖及び生物濃縮に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 食物連鎖における高次消費者の個体数は、一次消費者の個体数に比べて多い。
  2. 食物連鎖の結果、有毒渦鞭毛藻を摂食した貝類が麻痺性貝毒を蓄積し、ヒトに中毒を起こすことがある。
  3. 生物濃縮には、直接濃縮と間接濃縮があり、前者には食物連鎖の関与が大きい。
  4. 生物濃縮の程度を示す指標である濃縮係数は、化学物質の環境中濃度を化学物質の生体内濃度で除した値である。
  5. PCB(ポリ塩化ビフェニル)やDDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)は、いずれも脂肪組織に移行して残留しやすい性質を有し、海洋生態系において大型魚類に蓄積される。

 

 

 

 

 

正解.2, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
食物連鎖とは、食うー食われるの関係系列です。高次消費者ほど個体数は原則として少ないです。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、正しい記述です。
代表例としては、毒成分サキシトキシンです。ホタテ貝等の二枚貝に毒が蓄積されています。

選択肢 3 ですが
食物連鎖を介する濃縮が間接濃縮です。直接濃縮は例えば呼吸で継続的に有害物質を取り込み蓄積するといった濃縮のことです。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
濃縮係数は「物質の生体内濃度÷物質の環境中濃度」です。割る数と割られる数が逆です。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい記述です。
PCB、DDT 共に第一種特定化学物質です。

以上より、正解は 2,5 です。
類題 97-137,99-21
参考 衛生薬学まとめ 自然毒

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