薬剤師国家試験 第102回 問62 過去問解説

 問 題     

アトピー性皮膚炎に関する記述のうち、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 皮膚のバリア機能が亢進している。
  2. 対症療法が治療の中心となる。
  3. 湿疹は左右非対称にみられる。
  4. おもにⅡ型アレルギーが関与している。
  5. 抗ヒスタミン薬が第1選択薬である。

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

選択肢 1 ですが
アトピー性皮膚炎がおきている場合、皮膚のバリア機能が弱っていることが多いです。亢進している、というのは誤りです。

選択肢 2 は、正しい選択肢です。
症状としての炎症を抑えたうえで、適切なスキンケアと、皮膚への刺激を減らすことが治療の中心となります。

選択肢 3 ですが
アトピー性皮膚炎は、左右対称が原則です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
アトピーは、Ⅰ型及びⅣ型が混合して関与しているとされています。主にⅡ型では、ありません。

選択肢 5 ですが
本試験時 日本皮膚科学会作成のガイドラインによれば、抗ヒスタミン薬は痒み軽減の可能性があり、抗炎症と保湿外用薬による治療の補助療法として勧められています。あくまでも補助療法としてなので第一選択としてではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。
類題 98-188
参考 病態・薬物治療学まとめ アトピー性皮膚炎の病態生理、治療薬、注意点

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