薬剤師国家試験 第102回 問56 過去問解説

 問 題     

乳がんの腫瘍マーカーとして有用なのはどれか。1つ選べ。

  1. CA15-3 (carbohydrate antigen 15-3)
  2. CYFRA1-1 (cytokeratin 19 fragment)
  3. NSE (neuron specific enolase)
  4. SCC (squamous cell carcinoma related antigen)
  5. PIVKA-Ⅱ (protein induced by vitamin K absence or antagonist-Ⅱ)

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

選択肢 1 は、正しい選択肢です。
CA(carbohydrate antigen)は、糖鎖抗原 という意味です。実体は糖タンパク質です。CA15-3は、乳がん診断における特異的マーカーとして知られています。

選択肢 2 ですが
CYFRA(cytokeratin fragments)は、細胞骨格を形成するケラチンタンパク質における可溶性成分の総称です。CYFRA 21-1 は肺がん、特に扁平上皮がんの判定に高い検出感度を示すマーカーです。乳がんのマーカーではありません。

選択肢 3 ですが
NSE(Neuron Specific Enolase) は、肺小細胞癌、神経芽細胞腫、神経内分泌系腫瘍のマーカです。乳がんのマーカーではありません。

選択肢 4 ですが
SCC(squamous cell carcinoma)は、扁平上皮がんのマーカ-です。乳がんのマーカーではありません。

選択肢 5 ですが
PIVKA(protein induced in vitamin K absence)は、肝臓で合成される異常タンパク質です。VK が不足している時に合成されます。PIVKA-Ⅱは、肝がんのマーカ-です。乳がんのマーカーではありません。

以上より、正解は 1 です。

参考 病態・薬物治療学まとめ 悪性腫瘍に関する代表的な臨床検査

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