薬剤師国家試験 第102回 問55 過去問解説

 問 題     

腸溶性製剤に関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 有効成分の血液中での分解を防ぐことができる。
  2. 有効成分の胃に対する刺激作用を低減できる。
  3. 体温によって溶融し、薬物を放出する。
  4. ペプシン分解性の基剤でコーティングされている。
  5. 即放性製剤に分類される。

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

腸溶性製剤とは、胃で溶けず腸で溶けるようにコーティングされた製剤です。コーティング剤の代表例は、ヒプロメロースフタル酸エステルです。胃で分解してしまう薬剤や、胃で溶けると胃障害を引き起こすような薬物に対して用いられます。

従って、正解は 2 です。

ちなみに、選択肢1ですが
血中での分解を防ぐようなものとしては、レボドパ、カルビドパの合剤があげられます。

選択肢 3 ですが
体温により溶融し、薬物を放出するものとしては坐剤などがあげられます。

選択肢 4 ですが
ペプシンは、胃の消化酵素なので、ペプシン分解性基材でコーティングしても腸溶錠にはなりません。

選択肢 5 ですが
経口摂取してすぐに溶けるとまだ腸に届いていないので、即放性ではありません。

類題 101-54
参考 製剤学まとめ 製剤分野で汎用される高分子の物性

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