薬剤師国家試験 第102回 問22 過去問解説

 問 題     

生体内で起こる次の代謝反応のうち、シトクロム P450 の寄与が小さいのはどれか。1 つ選べ。

  1. フェナセチンの O – 脱アルキル化
  2. N-アセチルアミノフルオレインのN-水酸化
  3. パラチオンの酸化的脱硫化
  4. 四塩化炭素の還元的脱ハロゲン化
  5. エタノールの酸化

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

選択肢 1,2,4 ですが
「脱アルキル」、「N-水酸化」、「脱ハロゲン」は、どれもCYPの酸化形式です。従って、寄与が大きいと判断できると考えられます。

選択肢 3 ですが
パラチオンは、CYP による脱硫反応によりパラオキソンに変換されます。従って、寄与は大きいです。

選択肢 5 は、正しい記述です。
エタノール(いわゆるお酒に含まれるアルコール)の酸化については、CYP2E1 も関与するのですが、主に ADH(alcohol dehydrogenase)及び ALDH(aldehyde dehydrogenase)により代謝されます。

以上より、正解は 5 です。

参考 薬剤学まとめ シトクロムP-450(CYP450)の構造、性質、反応様式

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