薬剤師国家試験 第101回 問338 過去問解説

 問 題     

54歳男性。腎細胞がん治療の内服薬導入のため入院し、1週間で退院することとなった。退院時に手足症候群への対応を含む以下の処方箋が交付され、近所の薬局に持参した。

この患者への服薬指導として適切でないのはどれか。2つ選べ。

  1. 熱い風呂は、控えましょう。
  2. 直射日光に当たらないようにしましょう。
  3. 手足に痛みが現れたら、薬の使用を中止してください。
  4. 白色ワセリンは副作用の予防になるので毎日使いましょう。
  5. 足に密着したきつめの靴下を履きましょう。

 

 

 

 

 

正解.3, 5

 解 説     

手足症候群とは、抗がん剤の作用による手足の皮膚障害です。しびれ、ピリピリした痛みとして自覚されます。対策としては保湿、及び刺激除去となります。以上をふまえ、各選択肢を検討します。

選択肢 1,2 は、適切です。
熱い風呂や、直射日光を避ける というのは、刺激除去として適切です。

選択肢 3 ですが
副作用をできるだけ緩和し用量を調節しつつ、抗がん剤使用を継続します。手足に痛みがでたからといって服薬を独断で中止してはいけません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、正しい選択肢です。
保湿のために、毎日の使用が推奨されます。

選択肢 5 ですが
刺激除去という観点から考えれば、ゆったりした靴下が望ましいです。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3,5 です。

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