101回薬剤師国家試験 問282-283解説

 問 題     

75歳男性。かねてから緑内障治療のため、処方1の薬剤を使用していた。両目が充血し、目やにも出ることから、かかりつけの眼科医を受診したところ、細菌性結膜炎と診断され、処方2が新たに追加された。

問282

これらの処方薬の使用方法について、薬剤師が患者に指導する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 点眼後は、数回まばたきをし、薬液が患部全体にいきわたるようにする。
  2. 点眼後は、目頭を圧迫する。
  3. 夕方の点眼時は、2剤を間隔をあけずに連続して点眼する。
  4. 夕方の点眼時は、処方2の薬剤を先に点眼する。

問283

処方1の点眼液には、下記の添加剤が含まれている。それぞれの添加剤の使用目的のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

添加剤:ベンザルコニウム塩化物、塩化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、無水リン酸一水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、アルギン酸

  1. ベンザルコニウム塩化物は、主薬の酸化防止剤として添加されている。
  2. 塩化ナトリウムは、等張化剤として添加されている。
  3. リン酸二水素ナトリウムは、着色剤として添加されている。
  4. 水酸化ナトリウムは、保存剤として添加されている。
  5. アルギン酸は、主薬の眼表面での滞留性向上の目的で添加されている。

 

 

 

 

 

正解.
問282:2, 4
問283:2, 5

 解 説     

問282

選択肢 1,2 ですが
まばたきをすると、眼の表面に一定量の涙が送り込まれます。すると、薬が涙の流れにのってすぐに流れていってしまいます。そのため、点眼後は目を閉じ、目頭をおさえることが推奨されます。よって、選択肢 1 は誤りです。選択肢 2 は、正しい記述です。

選択肢 3 ですが
夕方は、2 種類の点眼を指す必要があります。先に点眼した目薬を、次に点眼する目薬が押し流してしまわぬよう、5 分程度間隔を空けて点眼することが望ましいです。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、正しい選択肢です。
カルテオロールは1日1回の点眼でよいように、粘性を高めて滞留性を向上させています。そのため、先に点眼してしまうと次の点眼の吸収に影響を与えます。影響を避けるためにカルテオロールは後に点眼します。つまりレボフロキサシンを先に点眼します。

以上より、正解は 2,4 です。

問283

選択肢 1 ですが
ベンザルコニウム塩化物は、保存剤として添加されています。酸化防止剤としてでは、ありません。

選択肢 2 は、正しい選択肢です。

選択肢 3 ですが
リン酸二水素ナトリウムは、緩衝材として添加されています。着色剤としてでは、ありません。

選択肢 4 ですが
水酸化ナトリウムは、pH 調整剤として添加されています。保存剤としてでは、ありません。

選択肢 5 は、正しい記述です。

以上より、正解は 2,5 です。

コメント