問 題
薬物の腎排泄に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 糸球体の基底膜は陽性に帯電しているため、酸性薬物は塩基性薬物よりろ過されやすい。
- 投与された薬物のすべてが腎排泄によって消失するとき、その腎クリアランスはクレアチニンクリアランスにほぼ等しい。
- フェノールスルホンフタレインは、主に尿細管分泌により体内から消失するため、腎機能測定に用いられる。
- OAT1は近位尿細管上皮細胞の刷子縁膜に存在し、細胞内の有機カチオンを管腔内へ排出する。
- 尿細管における弱塩基性薬物の再吸収は、尿のpHが大きくなると増大し、その腎クリアランスは低下する。
正解.3, 5
解 説
選択肢 1 ですが
糸球体の基底膜はネガティブチャージです。陰性に帯電です。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
クレアチニンクリアランスは、糸球体ろ過 を反映します。そして腎排泄の経路は、糸球体ろ過 の他に尿細管分泌 もあります。全てが腎排泄 であっても、全てが糸球体ろ過 とは限りません。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は、正しい記述です。
選択肢 4 ですが
OAT とは、organic 「anion」 transporter の略です。排出するのは、有機「アニオン」です。カチオンでは、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は、正しい記述です。
pH が大きい → 塩基性薬物は、より分子 → 膜 通過しやすいから、再吸収増加 → 再吸収されると、血中に戻るから腎からの排出は、少なくなる。つまり、腎クリアランス低下 です。
以上より、正解は 3,5 です。
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