問 題
神経障害性疼痛(糖尿病性神経障害に伴う痛みなど)の治療薬には、一次知覚神経に発現するイオンチャネルに作用するものがある。その作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。
- 電位依存性Ca2+チャネルを遮断し、神経伝達物質の遊離を抑制する。
- 電位依存性K+チャネルを遮断し、神経伝達物質の遊離を抑制する。
- ATP感受性K+チャネルを遮断し、神経伝達物質の遊離を抑制する。
- 電位依存性Cl–チャネルを遮断し、神経の興奮を抑制する。
- 電位依存性Na+チャネルを遮断し、神経の興奮を抑制する。
正解.1, 5
解 説
選択肢 1 は、正しい選択肢です。
神経障害性疼痛の代表的治療薬として、プレガバリン(リリカ)があります。プレガバリンはCa2+ チャネルを遮断することで神経伝達物質の遊離を抑制します。
選択肢 2,3 ですが
電位依存性や、ATP感受性の K+ チャネルが遮断されると、細胞膜の外側へ K+ イオンを送るチャネルが抑制されることになります。
すると、細胞外へ陽イオンを排出することが抑制されることになります。そうすると細胞膜内外の電位差が小さくなるため、わずかのイオンの流入により興奮がおきると考えられます。いいかえると、K+ チャネルの遮断により神経細胞は、興奮しやすくなるといえます。その結果、神経伝達物質の遊離は促進されると考えられます。従って、選択肢 2,3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
Clー チャネルが遮断されると神経の興奮は、促進されます。従って、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は、正しい選択肢です。
Na+ チャネルが遮断されれば、神経の興奮は抑制されます。
以上より、正解は 1,5 です。
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