薬剤師国家試験 第101回 問109 過去問解説

 問 題     

バイカレインに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. イソフラボノイドの一種である。
  2. バイカレインは、全ての炭素骨格が酢酸・マロン酸経路で生合成される。
  3. バイカレインの炭素原子aは、マロニルCoA由来である。
  4. バイカリン(baicalein-7-O-D-glucuronide)は、バイカレインのヒドロキシ基bに糖が結合した配糖体である。
  5. メタノールに溶かしたバイカレインにリボン状マグネシウムと濃塩酸を加えると呈色する。

 

 

 

 

 

正解.3, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
一番右の六員環が右上に突き出しているので、これはフラボンです。イソフラボンは、右「下」に六員環が突き出した構造です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
フラボノイドは、酢酸-マロン酸経路由来の C6 (A環。左端) と シキミ酸経路由来の C6(B環。右上。)- C3(C環。真ん中。)の縮合で形成されます。つまり、全てが酢酸-マロン酸経路による合成では、ありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は、正しい選択肢です。
左側の芳香環部分が、マロニル CoA 由来です。

選択肢 4 ですが
7 位が、a の左隣りの OH なので誤りであると考えられます。どの炭素が何位かわからなくても立体的に障害が大きいことに着目すると誤りではないかと考えられるのではないでしょうか。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい選択肢です。
リボン状Mg/塩酸 により生じる H2 がフラボノイドを還元します。すると、アントシアニンが生成されて呈色されます。フラボノイドの確認試験でいわゆる篠田反応です。

以上より、正解は 3,5 です。

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