薬剤師国家試験 第101回 問69 過去問解説

 問 題     

消失経路の観点から、腎機能障害時に投与量の補正が必要な薬物はどれか。1つ選べ。

  1. アテノロール
  2. プロプラノロール
  3. アセトアミノフェン
  4. デキストロメトルファン
  5. アミオダロン

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

アテノロールについて、腎機能障害時に投与量補正が必要と知っていれば、いきなり正解が 1 と判断してよいです。しかし、知らなくても以下のように考えるとよいのではないでしょうか。

薬物は、消失経路の観点から大きく、肝代謝型と、腎排泄型に分類されます。本問の選択肢では
プロプラノロールは、CYP 2D6 の代表的代謝薬物。また、代表的肝血流量依存薬物です。

アセトアミノフェンは、肝障害が代表的副作用。グルクロン酸抱合を受ける代表的薬物であること も有名です。

アミオダロンは、CYP 3A4 の代表的代謝薬物です。

これらの知識から、選択肢 2,3,5 は肝代謝型と判断します。よって、これらの選択肢の薬物は投与量の補正が不要と考えられます。

そして、選択肢 4 のデキストロメトルファンは鎮咳薬です。市販薬にも多く含まれておりかなり副作用が少ない薬物と考えられます。投与量の補正が必要とは考えられません。(あくまでも、本問において相対的に、です。薬物の適正利用には、常に留意が必要です。)

以上より、正解は 1 です。
類題 105-268269

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