薬剤師国家試験 第100回 問276-277 過去問解説

 問 題     

65歳男性。変形性関節症の治療中であり、以下の薬剤が処方された。

問276

本テープ剤の使用に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. 原因療法ではなく、対症療法である。
  2. アスピリンぜん息の患者に対しては禁忌である。
  3. 光線過敏症の既往歴を持つ患者に対しては禁忌である。
  4. 湿疹または発疹の部位には使用しない。
  5. 胃不快感などの消化器症状が現れることがある。

問277

本テープ剤に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. 室温で保存する。
  2. 製剤均一性試験法の適用を受ける。
  3. 溶出試験法の適用外である。
  4. 膏体は支持体に展延されている。
  5. 水を含む基剤を用いた貼付剤である。

 

 

 

 

 

正解.
問276:3
問277:5

 解 説     

問276

選択肢 1,2,4,5 は、正しい選択肢です。

選択肢 2,5 の内容は
ロキソプロフェン錠剤においても、同様の注意点です。

選択肢 3 ですが
光線過敏症の既往歴を持つ患者に対して禁忌であるのは、ケトプロフェン(®モーラステープ)です。ロキソプロフェンは、禁忌ではありません。

以上より、正解は 3 です。

問277

選択肢 1 ~ 4 は、正しい選択肢です。
ちなみに、皮膚に適用する製剤で行われる試験は「放出試験法」です。(選択肢 3 に関しての補足です。)

選択肢 5 ですが
「テープ剤」とは、脂溶性の基剤を用いた製剤です。皮膚との親和性が高く、浸透、吸収性にすぐれます。また、皮膚との親和性が高いことからはがれにくい、という特徴があります。一方、「パップ剤」とは、水溶性の基剤を用いた製剤です。水分が多く含まれ、貼った時のひんやりとした清涼感が特徴です。テープ剤なので、水を含む基剤 ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 5 です。

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