薬剤師国家試験 第100回 問174 過去問解説

 問 題     

界面活性剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. イオン性界面活性剤において、アルキル鎖が長くなるほどクラフト点は低くなる。
  2. 親水性親油性バランス(HLB)値が小さい界面活性剤ほど、疎水性が高い。
  3. HLB値が3.7の界面活性剤2gと、HLB値が11.5の界面活性剤1gを混合して得た界面活性剤のHLB値は、7.6である。
  4. イオン性界面活性剤水溶液のモル電気伝導率は、臨界ミセル濃度以上で急激に減少する。
  5. 臨界ミセル濃度以上では、界面活性剤分子はミセルを形成するため、単分子として溶解しているものはない。

 

 

 

 

 

正解.2, 4

 解 説     

選択肢 1 ですが
クラフト点は、炭素数が多いほど、つまりアルキル鎖が長いほど、高くなります。アルキル鎖が長くなるほどクラフト点が低くなるわけでは、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、正しい選択肢です。

選択肢 3 ですが
3.7 × 2/3 + 11.5 × 1/3  = 6.3 です。7.6 では、ありません。(7.6 という数字は、単純に 3.7 と 11.5 の平均をひっかけ数字として用いたと思われます。)よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、正しい選択肢です。

選択肢 5 ですが
単分子で溶解しているものも存在すると考えられます。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,4 です。

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