問 題
呼吸器系に作用する薬物について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ジヒドロコデインは、モルヒネより鎮咳作用は強いが、依存性形成作用は弱い。
- アンブロキソールは、Ⅱ型肺胞上皮細胞からの肺表面活性物質(肺サーファクタント)の分泌を促進し、去痰作用を示す。
- カルボシステインは、ムコタンパク質のジスルフィド結合を切断して、痰の粘度を低下させる。
- ノスカピンは、延髄の咳中枢を抑制して鎮咳作用を示すが、呼吸中枢抑制作用はない。
- ナロキソンは、末梢性化学受容器を刺激して呼吸興奮を引き起こす。
正解.2, 4
解 説
選択肢 1 ですが
ジヒドロコデインは、モルヒネよりも鎮咳作用は弱いです。モルヒネより鎮咳作用が強くはありません。ちなみに依存性形成作用が弱いというのは、正しいです。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は、正しい選択肢です。
選択肢 3 ですが
システイン系の去痰薬の中でも、カルボシステインは少し特殊です。特殊というのは、SH 基を持たないのです。そのため、他のシステイン系とは異なり、S-S 結合の開裂ではなく、痰中のシアル酸とフコースの構成比の調節等が作用機序です。つまりジスルフィド(S-S)結合を切断するわけではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は、正しい選択肢です。
選択肢 5 ですが
ナロキソンは、麻薬拮抗剤です。モルヒネによる呼吸抑制の改善などに用いられます。抑制薬に拮抗することで作用するものであり、末梢性化学受容器を刺激して呼吸興奮を引き起こすわけでは、ありません。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2,4 です。
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