薬剤師国家試験 第100回 問70 過去問解説

 問 題     

ヒト上皮増殖因子受容体 2 型 (HER2) 過剰発現が確認された手術不能乳がんの治療に用いられる薬物はどれか。1 つ選べ。

  1. エルロチニブ塩酸塩
  2. ラパチニブトシル酸塩水和物
  3. クリゾチニブ
  4. スニチニブリンゴ酸塩
  5. ゲフィチニブ

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

選択肢 1 ですが
エルロチニブ(®タルセバ)は、EGFR チロシンキナーゼ阻害薬の一種です。肺がんや膵がんに用いられます。手術不能乳がんの治療には、用いられません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、正しい選択肢です。
ちなみに、商品名は ®タイケルブ です。

選択肢 3 ですが
クリゾチニブ(®ザーコリ)は、ALK 融合タンパク質のチロシンキナーゼ阻害薬です。非小細胞肺がんに用いられる薬です。手術不能乳がんの治療には、用いられません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
スニチニブ(®スーテント)は、マルチキナーゼ阻害薬です。腎臓がんなどに用いられる薬です。手術不能乳がんの治療には、用いられません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
ゲフィチニブ(®イレッサ)は、EGFR チロシンキナーゼ阻害薬です。非小細胞肺がんに用いられます。手術不能乳がんの治療には、用いられません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。
類題 97-187106-238239

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