薬剤師国家試験 第100回 問64 過去問解説

 問 題     

結核に関する記述のうち、正しいのはどれか。1 つ選べ。

  1. 2 週間以上持続する高熱が主訴である。
  2. 肺に限定した疾患である。
  3. ツベルクリン反応検査は、Ⅰ型アレルギー反応を利用している。
  4. 初感染経路は飛沫による経気道感染である。
  5. 病変は、血行性に広がる様式はとらない。

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

選択肢 1 ですが
結核では、無症状であったり風邪と勘違いするような微熱が症状として出ることが多いです。2 週間以上持続する高熱は、結核に関する記述として適当ではないと考えられます。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
肺以外の臓器が冒されることもあります。菌が血液の中に入り全身に広がることもあります。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
I 型アレルギー反応とは、IgE が関与することで引き起こされるアレルギーです。即時型アレルギーとも呼ばれます。代表的な疾患としては、気管支喘息などがあります。ツベルクリン反応は、Th1細胞が関与する Ⅳ 型アレルギーです。

よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、正しい記述です。

選択肢 5 ですが
菌が血液の中に入り全身に広がることもあります。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。
類題 102-288289
参考 病態・薬物治療学まとめ 上気道炎、インフルエンザ、慢性閉塞性肺疾患、肺炎、肺結核、肺癌、乳癌の概説

以下補足-試験テクニックとして-
ちなみに、本問において選択肢 2 と 5 に関しては、自信を持ってわからなくても、もしも 2 が正解だと、肺に限定した疾患だったら血行性に広がる様式はないだろう、ということで 5 も正解になってしまいます。また、 5 が正解だとすると、結核といえば肺だから2 も正解ではないか?と考えられます。

このように推理することで、2 及び 5 は正解の候補から外すことができると考えられます。選択肢から、少しでも正答の確率をあげることができるようぜひ参考にしてみてもらえると嬉しいです。以上補足。

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