薬剤師国家試験 第100回 問52 過去問解説

 問 題     

ニュートン流体のせん断速度を縦軸に、せん断応力を横軸になるよう図を作成した。得られた図に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 粘度が大きいほど、直線の傾きは大きくなる。
  2. 縦軸との切片は降伏値を表す。
  3. 曲線はチキソトロピーを表す。
  4. 原点を通り、下に凸の曲線となる。
  5. 原点を通る直線となる。

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

選択肢 1 ですが
せん断応力(S) は、ニュートン流体であれば粘度に比例します。つまり、同じせん断速度に対して(例えば、y = 10)粘度が大きくなれば、せん断応力は大きくなります。(例えば、 x = 10 → x = 20 へと変化)そうすると、直線の傾きは小さくなります。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
降伏値、つまり「力を加えていって初めて動き出す時の力の大きさ」が存在するのは、非ニュートン流体の一種である塑性流体においてです。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
チキソトロピーとは、かき混ぜたりすることで粘度が下がり、しかも時間経過に伴い粘度が元に戻る という現象のことです。ニュートン流体において、図は原点を通る直線となり、チキソトロピーを表す曲線ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
ニュートン流体において、図は原点を通る直線となります。下に凸の曲線では、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい記述です。

以上より、正解は 5 です。
類題 106-179
参考 製剤学まとめ 流動と変形(レオロジー)の概念

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