R1年 食品衛生監視員 No.2 食品化学Ⅱ (1) 問題と解説

 問 題     

酵素に関する次の記述の Ⓐ ~ Ⓙ に当てはまるものを語群から選び出し、それぞれの番号を記せ。

「生体内の化学反応を触媒している Ⓐ を酵素といい、酵素は特定の反応を触媒する性質  (Ⓑ) をもっている。具体的には、脂質に作用する Ⓒ は、脂肪酸と Ⓓ から成る Ⓔ のエステル結合を加水分解し脂肪酸を遊離する。また、酵素の食品加工への用途として、 Ⓕ はミカン缶詰のシロップの白濁防止に利用されている。

生鮮食品の褐変反応を防止するための主な方法として、 Ⓖ (加熱処理) による酵素の不活性化があり、その他の褐変防止法では、阻害剤として亜硫酸塩や Ⓗ などの添加がある。また、褐変には酵素の関与しない非酵素的褐変反応があり、糖を融点以上に加熱すると、Ⓘ  を生成するが、同時に揮発性物質としてアルデヒド、 Ⓙ などの香気成分を生じ、特有の焙焼香と共に、独特の苦みを有するようになる。」

<語群>
①グリセリン(グリセロール)、②エチレングリコール、③乾燥、④ブランチング、⑤リパーゼ、⑥ヘスペリジナーゼ、⑦グルタミン酸、⑧カラメル、⑨ミロシナーゼ、⑩食塩、⑪ラクトン類、⑫フラン類、⑬アミノ酸、⑭タンパク質、⑮アミノ・カルボニル反応、⑯基質特異性、⑰反応特異性、⑱トリアシルグリセロール、⑲ATP、⑳ATP アーゼ

 

 

 

 

 

 解 説     

Ⓐ、Ⓑ ですが
酵素の実体は タンパク質 です。特定の反応を触媒する という酵素の性質は「反応特異性」です。ちなみに、決まった物質だけに作用する性質 が「基質特異性」です。 

Ⓒ、Ⓓ、Ⓔ ですが
脂質に作用するのは「リパーゼ」です。脂肪酸と「グリセリン」からなる「トリアシルグリセロール」のエステル結合を加水分解します。

Ⓕ ですが
みかんの果肉や内皮には、ヘスペリジン (ビタミン P) が含まれています。ヘスペリジンがシロップに溶け出し、時間の経過とともに白く濁ったり結晶化してしまうことを防ぐために、ミカン缶詰にはヘスペリジンの分解酵素である「ヘスペリジナーゼ」が用いられます。

Ⓖ、Ⓗ ですが
語句を見ると 褐変防止法として「・・・(加熱処理)」という文脈に合うのは「ブランチング」です。ブランチングは主に野菜や果物を冷凍・乾燥貯蔵する前に、熱湯や蒸気で短時間加熱する処理のことです。この処理によって酵素を破壊します。

また、添加するものとしては「食塩」が妥当です。語句にはありませんが、他にビタミン C やクエン酸が、酵素的褐変をおさえる阻害剤として添加されます。

Ⓘ、Ⓙ ですが
糖を融点以上に加熱すると「カラメル化」がおきます。Ⓘ は「カラメル」です。同時に生じる揮発性物質は、主にアルデヒドや「フラン類」です。


以上より
Ⓐ:⑭ タンパク質
Ⓑ:⑰ 反応特異性

Ⓒ:⑤ リパーゼ
Ⓓ:① グリセリン (グリセロール)
Ⓔ:⑱ トリアシルグリセロール

Ⓕ:⑥ ヘスペリジナーゼ

Ⓖ:④ ブランチング
Ⓗ:⑩ 食塩

Ⓘ:⑧ カラメル
Ⓙ:⑫ フラン類  です。

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