R1年 食品衛生監視員 No.2 食品化学Ⅰ (3) 問題と解説

 問 題     

食品の水分に関する記述 ① ~ ⑤ について、妥当なものには ○ を、妥当でないものには × をそれぞれ記せ。

① 食品の蒸気圧と純水の蒸気圧が分かれば、食品の水分活性は計算により求められる。

② 中間水分食品とは水分活性が 0.65 ~ 0.85 にある食品をいう。

③ 水分活性は 0 ~ 1 の間の値をとり、純水の水分活性は 1 である。

④ 水分活性が 0.3 より低下すると、食品中の脂質が空気中の酸素に触れて、酸化が進行する。

⑤ 自由水が減少して結合水が相対的に増えると、水分活性は高くなる。

 

 

 

 

 

 解 説     

【水分活性の基礎知識】
食品中の水は、食品成分の一部と強く結合している結合水と、結合していない自由水の2種類に大別されます。食品中の自由水の割合を示す指標が水分活性です。P/P0 です。P は食品の表面水蒸気圧、P0 は、純水の水蒸気圧です。

水分活性が低いほど、微生物の増殖が抑制され、水分活性が 0.6 を下回るとほとんどの微生物の増殖が抑制されます。ちなみに、細菌、酵母、カビの順に、増殖に最低限必要な水分活性が低くなります。

水分活性と関連した用語として、中間水分食品があります。代表例はジャムなどです。一般的には「水分活性が 0.85 ~ 0.65 程度の 食品」です。水分含量が 40 ~ 15% 程度かつ 概してやわらかく、そのまま食べることができる食品である点が特徴です。


基礎知識をふまえ、各選択肢を以下検討します。

① は妥当です。
P/P0 で計算できます。


② は妥当です。
中間水分食品についての記述です。


③ は妥当です。
純水の水分活性は、P/P0 において、P = P0 の場合といえます。


④ は妥当と思われます。
水分活性と脂質の酸化には密接な関係があり、水分活性が約 0.3 〜 0.5 付近のとき、脂質の酸化反応は最も遅くなります

0.3 未満の場合は、水分が少なすぎるため、水分子による保護膜が形成されず、酸素が脂質と直接接触しやすいため酸化しやすいです。0.5 以上の場合は食品中の自由水が増加し、金属イオンなどの酸化促進成分が自由に移動できるようになるため、酸化しやすいです。

「水分活性が 0.3 より低下すると、食品中の脂質が空気中の酸素に触れて」という記述は、あたかも水分活性が 0.3 より大きい場合には、食品中の脂質が空気中の酸素に触れていないように読み取れます。

水分活性が 0.3 より大きくても、厳密には食品中の脂質と酸素が触れていないわけではないと考えられるのですが、水分活性と脂質酸化に関する基礎知識をふまえ、本選択肢は妥当であるという出題意図であると思われます


⑤ ですが
自由水が減少して結合水が相対的に増える → P は小さくなります。従って、水分活性は小さくなります。⑤ は誤りです。

コメント

  1. より:

    R1.食品衛生監視員.食品化学.I-(3)④について、問題文は「水分活性が0.3より低下すると」とあるので妥当ではないでしょうか

  2. kazupiko より:

    コメントありがとうございます。解説を修正いたしました!