公務員試験 H30年 国家専門職(食品衛生監視員) No.4毒性学Ⅲ解説

 問 題     

以下の用語について,概要をそれぞれ5 行程度で説明せよ。
⑴ 毒性等量(TEQ)
⑵ 1 日許容摂取量(ADI)
⑶ 実質安全量(VSD)

 

 

 

 

 

 解 説     

解答例)
(1)
ダイオキシン類の中で、2,3,7,8-TCDD (Tetrachlorodibenzo-p-dioxin) は、最強の毒性である。この毒性を 1 として、各ダイオキシン類の毒性について TEF(Toxicity Equivalency Factor:毒性等価係数)で表されます。この、各ダイオキシン類の毒性の相対的強さを考慮した、ダイオキシン類全体の毒性についての濃度を示したものが TEQ(Toxicity Equivalency Quantity:毒性等量)である。

(2)
ヒトが 生涯 を通して、毎日摂取し続けたとしても有害性は認められないと想定される一日当たりの摂取量を一日摂取許容量(ADI)といい、体重 1kg 当たりの量で示す。ADI は、動物実験によって得られたNOAEL を、一般的に、種差 を考慮して10、ヒトの 個体差 を考慮して10、この二つの値を乗じて得られた 100 で除して算出する。

(3)
VSDは、10 万分の 1 あるいは 100 万分の 1 というような低い確率でがんを増加させる用量で、通常の生活 で遭遇する稀なリスクと同程度の非常に低い確率となるような暴露量と解釈される量のことである。有害化学物質のうち発がん性物質については、閾値がない と考えられているため、このような物質に対しては、ADI に代わる指標として、 VSD が用いられる。

類題)
H27No5Ⅱ(1)H28No4Ⅱ(1)

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