過去問 H30年 国家一般職(高卒 基礎)No.36解説

 問 題     

社会権に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.社会権は,ドイツのワイマール憲法において初めて規定され,日本国憲法では生存権,労働基本権,教育を受ける権利が保障されている。

2.日本国憲法では,国民に勤労(労働)の権利を明示しているが,一方で一定の収入があり生活が安定している場合もあることから勤労の義務は明示していない。

3.日本国憲法では,すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すると規定しているが,国民の社会福祉や社会保障の向上などに関する規定はない。

4.日本国憲法では,勤労者の団結権・団体交渉権・団体行動権(争議権)を定めているが,公務員については,団体交渉権と団体行動権が一切認められていない。

5.人間が人間らしく生きるには,一定の知識・教養等を身に付ける必要があり,日本国憲法ではすべての国民にその能力にかかわらず平等に高等教育までの教育を受ける権利を保障している。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
社会権に関する記述です。

選択肢 2 ですが
国民の三大義務が「教育の義務(26条2項)」「勤労の義務(27条1項)」「納税の義務(30条)」です。「勤労の義務は明示していない」わけではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
憲法第 25 条 2 項において、国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。と規定されています。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
本試験時点において、公務員に一切認められていないのは「団体行動権(争議権)」です。団体交渉権については、公務員の区分により、認められているものもあります。「一切認められていない」わけではありません。(参考 https://www.soumu.go.jp/main_content/000035137.pdf)。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
「高等教育までの教育」ではなく、「普通教育」を受ける権利を保障しています。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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